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4−2. 無限氷盤に半径aの穴を開け、その緑に線荷重が作用する時の耐荷力
港内結氷した漁港や湖沼では、レクリエーションとして魚釣りが盛んに行われている。その際、氷盤上にはアイスオーガーなどで穴が開けられることになる。これより、ここでは、無限氷盤に半径aの穴を開け、その縁に線荷重が作用した時の耐荷力との比較を行う、図−6に示すような、無限氷盤に半径aの穴を開け、その縁に線荷重が作用した時の耐荷力は、(3)式であらわされる。

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Fig-6.Infinite ice sheets against line loads over Circular area

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Fig-7.relationship between λa and Pcr3/Pcrl

ここでは、Pcr1を求めたのがa=50(?)としたのに対して、実際に魚釣りのときに開けられるような穴は比較的小さい。よって、a1=aと、a1=a/3、a1=a/5においても検討した。その結果、図−7に示すように穴の半径が小さくなるほど耐荷力は小さくなっているが、これは、全体の荷重が等しいとしたため、半径が小さくなるほど単位長さあたりの荷重が大きくなるためである。
次に、実際ではひとりひとりが一個の穴を用いるため、多くの釣り人が来る場合は水盤上に多くの穴があけられることになる。今、一辺L(m)の正六角形の中心および各頂点に穴を開け(図−8)その縁に図−6のような線荷重を作用させた場合を考える。このときの中心の穴に関する耐荷力は各頂点の穴の影響を受ける。ここで、穴が一つだけのとき(Pcr3)と他の六つの穴の影響を考えたときの耐荷力(Pcr6)の比を示したもの2が図−9である。氷盤の曲げ弾性率を20000(kg/cm2)とし、氷厚が50cm、穴の半径が10cmおよび20cmとした。

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Fig-8.Aregular hexagon with holes at the center as well as at each vertex, and with line loads acting on the edge of the holes

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Fig-9.relationship between L and Pcr6/Pcr3

図−9に示すように、周りに穴を開ける場合は間隔を20m以上開けると、穴が1個だけのときと耐荷力が同じになることがわかった。これより、たくさん穴を開ける場合は、お互いの間隔を10m以上あけたほうがよい。
4−3. 半無限氷盤の緑に長さbの線荷重が作用した時の耐荷力
氷盤の縁の付近(氷盤と陸との境)は水位低下などにより曲げ破壊が起こっており非常に危険な場所である。よって、この場合として、半無限氷盤の縁に長さbの線荷重が作用する時の耐荷力を考える。図−10に示すような、半無限氷盤の緑に長さbの線荷重が作用した時の耐荷力は、(4)式で表される。ここでは、b=aとおいて比較する。

 

 

 

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